”山に帰る”西穂高・残雪の山旅


Update:2004.10.25

西穂高・・ (1993.4.30〜5.3)

山に帰る。。

一つのある思いで、3,000m級の山に帰ってきた・・・「男との決別」。
大阪駅9番線から「急行・たかやま」で7時58分に出発。

ディーゼル4両編成、高山駅13時06分に到着、高山の街は二度目である、乗り継ぎバスの都合で13時30分に奥飛騨へ向けて出発。

車窓からは桜が見頃であった。夕暮れ近い”新穂高温泉”に到着、パンフレットを見て勘を働かせ「村営ホテル・氷碧」へ飛び込みの宿泊。

宿泊の手続きを済ませ部屋に向かう、6人部屋に一人、なんと贅沢な「山屋だ・・」。
ザックの整理をし、タオルを取り出し、早速小ぢんまりとした”露天風呂”へ、タイミング良く一人で湯船に浸かり、ご満悦。

夕食前の散策で蒲田川に架かる「めぐみ橋」へ、上流には砂防提があり、景観は台無し。。

山小屋ではとても味わえそうにない「贅沢な夕食」を頂き、もう一度”露天風呂”に入り、翌日の山歩きに備え早めに就寝。

TVニュースで、残雪状況は尾根筋2m・沢筋5mとの事、雪質が良ければ歩行には支障が無い。


穂高・黎明



翌朝6時に目覚め、脳ミソの覚醒をと、朝風呂へ・・露天風呂から眺める空は、「ガス!」・・雨降りよりはましか?と・・、外気温度は2℃。

7時30分に出発、新穂高ロープウェーを乗り継ぎ「西穂高口」へ到着、周りは「ガス」が出て見通しは無し温度−2℃、装備の点検・スパッツを着け出発。

残雪の登り30分も歩けば汗が噴出す、晴れわたるかと思えば「ガス」が流れる。展望が開けた所で小休止、西穂高山系が目の前に迫る。

喘ぎながらも12時前に「西穂高山荘」へ到着、周りは残雪に閉ざされていた。

宿泊手続きを済ませ、部屋名「霞沢岳」にザックを置き、サブザックに必要最小限度の荷物を詰め「独標」へ向かう、天気も良くなり尾根筋には残雪もあり快的に足が運ぶ。

独標に到着する頃には晴天となり、頂きでは太陽の光が「暑い」位であった。

展望は360度見渡せ、穂高山系・笠ケ岳、振り返れば焼岳と更に眼下には「上高地」が見下ろせ、正に自然の展望を独り占め・・一時間以上大パノラマを満喫し帰路に着く。

積雪の下りで足の運びも快調過ぎ、雪を踏み抜き前かがみ状態で転倒、あわや「骨折」かと、大事に至らず小屋に戻る事が出来た。今回のメインコースで天気に恵まれ幸いだった。

夕食時の話しでこの小屋は昨年火災にあい、立て替えたばかりだとの事、畳の匂いも良い筈だ。

夜遅くに鏡を見ると「目」が充血”雪目”だ・・晴天で残雪の上を歩いたので「目」をやられた。
過去の経験から幸い目薬を持っていたので助かった。


穂高・黎明



翌朝6時前に起床、天気は雪・・風は強く無く新雪が4〜5cm程度、小屋から少し離れた所から「雪」を取りラジュースで沸かし「コーヒー」を飲む、残りの湯はテルモスへ入れておく。

出発前にテント泊の子供の足が冷たくなったままだと小屋の売店の所で話しているのを聞き、足を触ってみると寒さのため冷たくなっていた、薬を塗り「血行」を良くするためマッサージを施す。

雪の中、上高地への路が荒れ気味で、トレースに沿って下る、雪が腐りかけでスリップをしつつ大休止する事も無く、穂高橋にたどり着く。

途中「ガスの風景」を撮ろうとしてカメラのシャッターを切るが「下りない?」壊れた!!
雨の中、梓川沿いに河童橋へ、過去に泊まった事のある「五千尺ロッヂ」に宿泊する。

雨に濡れた物をリネン室で乾かし荷物の整理をする。その後空身で小雨の中”河童橋”付近をそぞろ歩き。


上高地・河童橋



明日は松本経由で帰れば夜には大阪、寂しい想いが心をよぎる。子供たち3人に恵まれ、子孫を残す事は出来た。

下山後には「男」を封印する”男を断つ手術”が待っている。人生一つの区切りとして「山に帰ってきた」。生きて山に還れて良かった。


上高地・エンレイソウ



翌日6時に目覚め、朝食後ザックを預けて梓川沿いを下る、田代池・大正池と、所々に雪も残っていた。

天気も良く、ダイナミックな穂高山系の山々が心を和ませてくれ、梓川右岸を少し入れば「エンレイソウ」が、可憐な姿を見せてくれる。

引き返してザックを取りバスターミナルへ出て「松本」行きの切符を買い求めた後に「京都・大阪行き直行バスに空席が有る」とのアナウンス・・早速ルート変更の手続きをする。

まさか直行バスが運行されているとは知らず、時代の変化を感じずには居られなかった。


回想 :

山に帰り、3泊4日の山旅を終え、心の区切りが出来た。
ゴールデンウィーク終わり近くの5月7日に「男を断った」。
3人の子供達が心優しく・逞しく、無事成長してくれる事を願いつつ。
手元に残った山日記は「永遠に封印された」。

この旅をきっかけに、2〜3年に一度は、残雪の西穂高を旅する事が楽しみとなっている。


記 載  :2003.09.11
加筆・訂正:2004.10.25




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